マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、ここ数年よく耳にする言葉です。
マインドフルネス、それは、今現在あなたに起こっているその瞬間の環境や気持ちをありのままに受け止めてそれだけに注意を向けること。比較や評価することなど、他のことを考えず、ただただ自分が身を置く様を意識して感じてみる心の状態です。
マインドフルネスとは瞑想のひとつの方法とも言えます。どんな状況にいてもかまいません。座禅を組む必要もなく、目を閉じる必要もなく、ただ意識を自分の中に置くことです。あるいは目の前の他のことに意識が向いてしまうのを遮るために半眼(下向きに一点を見つめるお釈迦さまの目線)ぐらいにしてもいいでしょう。
例えば、
カフェで座っているときなら…
・お店の雰囲気
・椅子の座り心地
・お尻が椅子の面にどのように触れているか
・テーブルの高さ
・テーブル面の質感
・カフェの匂い
・耳に入ってくる厨房からの音
・音楽、周りの人の声(会話の内容ではなく)
・コーヒーの味、香り、暖かさ、冷たさ
・体で感じる空調の温度や湿度
など、それ以上でも以下でもなく、ありのままに注意を向けてみることです。
つまり、今の時間を 五感で感じる ということですね。
過去や現在など他のことに思いを移すことなく自分がその場で感じる五感を研ぎ澄ましで意識を向けること。そうすることで、余計な雑念に囚われることなく、ニュートラルな状態になり、結果、ストレスから解放される習慣が身につくという、仏教の教えのひとつから発展した心のエクササイズです。
ヨガで、ポーズをとりながら体と呼吸に意識を向けること、これもマインドフルネスな状態。なので「マインドフルネス・ヨガ」ともよく言われています。ヨガを通して自分の体と向き合い、呼吸を意識することは、瞑想状態に入りやすいと言われています。呼吸のリズムにあわせて心の中で自分の体とコミニュケーションしていくような感じです。
マインドフルネス エクササイズ
人間は、ときに感情に振り回される生き物です。感情によって体と心にも影響が現れます。喜怒哀楽に素直に身を任せることは人間にとって自然なことではありますが、特にネガティブな感情はいつまでも引きずってしまうこともあります。それが人によってはストレスに繋がることもあるでしょう。
それらを客観視するように、「ありのままを視る。」そのネガティブな感情にそれ以上もそれ以下も付加することなく、自分の中でゆっくりと見つめていくことです。それがマインドフルネス。
仙人かお釈迦様か!って思いますが、これはエクササイズ(習慣づける)することで出来るようになってくるのです。(私も実践中)
***
私たちの頭の中は、四六時中、様々なたくさんの想いがかけずり回っています。つい過去のことや未来のことに想いを巡らせていることがどれだけ多いか気づいたことはあるでしょうか。
ひとつのことから、あれこれ発展して、さっきまで考えていたことから違うことに飛び火してしまい、「あれ。私は何をするつもりだったんだっけ?」ということがよくありませんか?
気づけば、気持ちや心は今現在を忘れて、まるで地球の裏側ぐらいまで飛躍してしまっているようなこともあります。
***
マインドフルネスな状態、つまり、今そのとき、その場に意識を向ける、集中することを始めてみると、ふと余計な気持ちや考えが、違う方向に移ることは誰しもあることなので悪いことでも自分を責めることでもありません。
それを「あれ、今違うことを考えていたな…」とただ受け止めるだけで、それを否定することなく、また今のその場所に注意を向けるように戻すようにします。初めのうちは、集中が続かずそれの繰り返し。でも大丈夫!初めはみんな同じです。
そのような状態に意識をおくことにより、ストレスのもととなる雑念から解放され、ただありのままを受け入れる、余計な感情に囚われない、常にニュートラルに戻り自分の気持ちが徐々にコントロールできるようになります。
そもそもマインドフルネスの原点は?
マインドフルネスについて、ある本にはこう書かれています。
マインドフルネスとは?
もともとは、パーリ語の仏典に出てくるサティ(sati)という古代インドの言語で、記憶(覚えている)、想起【思い出すこと)、注意と言った意味があります。その英訳としてmindfullnessがつかわれました。英語のmindfullは、「注意する」「気をつける」といった意味です。これに名詞形にする語尾辞nessがついたのがマインドフルネスで、反対語はマインドレスネス(mindlessness)です。漢語では「念」となり、仏教のハ正道の7番目にある「正念の念」の意味とされ、日本語では「気づき」とよく訳されていますが、正確な意味を理解するにはパーリ語に戻るといいでしょう。
参考: 「私と世界を幸福で満たす食べ方・生き方」ティク・ナット・ハン/リリアン・チェン/大賀英史訳
ハーブとスパイスで五感を使ってマインドフルネスな料理教室
aroma*Rの料理教室やイベント出店などでは、ハーブやスパイスをすり鉢でゴリゴリ擦ってもらう体験をしていただきます。むしろ、それを重視してきました。
面倒でも少し力が必要でも、擦る、挽くということで五感で感じていただきたい!という想いからです(硬いものは最後はミルサーなどで仕上げます)。
ハーブやスパイスがパウダーなら、ひとつひとつの香りや味を確かめてもらってから、乳鉢などでミックスしていきます。その香りの違いや味の違いを感じ取っていただきたいのです。
その後、出来上がったミックススパイスや、ミックスハーブ、ハーブソルトなどを使って、さまざまな料理に役立てていただきます。
これ、実は、まさにマインドフルネスな状態なんです。
カレースパイスブレンド講座 の様子
料理が出来上がったときの香りや味もまた新鮮な気づきがあります。
ハーブやスパイスの
・香り(嗅覚)
・色や形(視覚)
・シングルとミックスの味(味覚)
・擦りっているときの音(聴覚)
・擦っている手に伝わる感触(触覚)
この乳鉢やすり鉢、石のグラインダー などを使い、
五感を使って行う「擦る」「挽く」という時間は、
まさに、マインドフルネスな時間なのです。
擦る、挽くは人類の食の原点
擦る、挽く、ときには「叩き潰す」などという原始的な行為は、人類が火を使い始める前から、そして、火を使い始めてからも、食べやすいように、少しでも消化しやすいように行ってきた調理法のひとつ。そうやって食は続いてきたと言っても過言ではありません。今のように便利なものがないときは、生きていくためにとても大切な行いだったのです。
だから、教室で自分たちの力で擦ったり挽いたりすることが心地良かったり、夢中になったり無心になれる時間なので、みなさん、「これ好きかも」という方も少なくありません。
その過程で、ハーブやスパイスの香りが広がり、アロマが嗅覚から脳に伝わり、リラックス作用をもたらしてくれることで、ストレスが緩和されていくという、マインドフルネスと香りのダブル効果があります。
料理することはマインドフルネス
料理をしている時間は私にとってはまさにマインドフルネスな時間です。
自分の作りたい料理に集中する時間です。私の料理は基本シンプルなものがほとんどで、それほど時間もかかりませんが、自分の五感を使って調理して、出来上がり、家族にサーブするまでは、そのことだけに注意を向けているときです。
みなさんも、料理しているときには、余計なことって考えないのではないでしょうか。
同じようなに、レシピを考えているとき、どんな食材を使おうかと考えているとき、お店で、食材を選んでいるときも!無意識ですが、きっと香りまでイメージしていると思います。
そして、この料理にはどんなハーブやスパイスが合うのか、どのように組み合わせて使うか、なども。
料理には香りがつきもの マインドフルネス・イーティング
また、どんな料理にも香りaromaがあります。当たり前ですが、鼻が詰まっていたら料理の味は楽しめません。料理の味のほとんどは舌よりも嗅覚によってわかるのです。そして、料理しているときから、料理の香りはあたりに広がり、食べることがとても楽しみになり、料理が出来上がり目の前に置かれたとき、さらに一口食べた瞬間、食べ終わったときまで感動が続きます。つまり、食にもaromaがなくてはならないのですね。(この場合のaromaは瓶に入った精油の意味ではありません念のため)
マインドフルネス・イーティングmindfulness eatingとは食べる瞑想です。
食べる瞑想って何?
食べてる途中に目を閉じて座禅をすることではありません。
「ながら食べ」テレビを観ながら、読書をしながら、スマホを触りながら、ついついやってしまいますが、たまには、食べること、食べているものに集中してみてはいかがでしょう。
出来れば体に良いもの、無添加のもの、無農薬のもの、オーガニックのものが望ましいですが、インスタントやお菓子でもいいので、余計なことは考えず、食べているものに注意を向けてみませんか?それがマインドフルネスイーティングです。
食べているものにじっくり集中すると、とても興味深い体験かもしれません。
特にハーブやスパイスを使った料理はマインドフルネスにふさわしいと思います。
どんな香りが使われているのか、それはどんなハーブなのか、スパイスなのか。
口に入れる前に香るのは?
一口食べたときに口の中に広がる香りは?
最後に残る香りは?
食べたものの食感は?
どのくらい噛んでいるか。
市販のものならどんな材料が使われているか。
とんな風に作られているのかイメージしたり。
口の中でどのように変化して、飲み込むときどんな感じか。食道から胃に入り、とんなふうに感じるか。
意外と面白いですよ。
1日三食のうち、おやつも含めて4食のうち、どれかはこんな風な食べ方もいいのではありませんか?
いろんな気づきがあります。
それが発展していくとダイエットにもつながってきます。
改めてそんなお話も、また取り上げていきますね。